甘酒って聞くと何となく健康や美容に良いとは言いますが、実際はどうなのか? 米こうじの生甘酒を作り続けて実際に体験した事や、気づいたこと、お客様から頂いた声についてお話していきます。米こうじのパワーって実はすごいんです。
目次
甘酒の種類
甘酒は酒かすで作ったものと麹・糀(こうじ)で作ったものと大きく2つに分かれます。飲む目的で飲み分けて、ぜひ楽しんで下さい。ちなみにこうじの漢字が2種類あるのは「麹」は中国から伝わった文字で、「糀」は明治時代に作られた和製漢字という説や、原材料が麦で作られるこうじが「麹」でお米から作られるこうじは「糀」という様々な諸説があります。
酒かすで作る甘酒
酒かすで作る甘酒 酒かすを水で溶いて砂糖を混ぜて作り、少しアルコールを含みます。
米こうじで作る甘酒
米こうじから作る甘酒でノンアルコールになり、妊婦さんや、小さなお子様も飲めます。
京都こうじ生活で作る生甘酒は米こうじが原材料となります。
甘酒と美容
甘酒は「飲む点滴」と言われるほど非常に多くの栄養素を含みます。必須アミノ酸、ビタミンB群、抗酸化作用などが代表的で、女性にとって必要な栄養素を数多く含みます。
美肌効果
肌に必要なビタミンB2、B6、ナイアシン、などの含有はもちろん、ビタミンCよりも強力なエルゴチオネイン(抗光老化成分)という成分も含まれています。しかし、この成分は酒粕だけの甘酒には含まれていません。反対に米麹だけの甘酒にはフェルラ酸エチルエステル(抗ストレス成分)が含まれていなかったりします。より詳しく知りたい方は
森永製菓:健康機能の研究成果をご覧下さい。
ダイエット効果
ダイエット効果としては甘酒には発酵過程で作られる酵素があります。酵素はたんぱく質の一種です。
・アミラーゼ(デンプン分解酵素)
・プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)
・リパーゼ(脂質分解酵素)
簡単に説明するとこれらの酵素が目的別に消化、分解を助けてくれます。アミラーゼはデンプン質の消化・分解、プロテアーゼはたんぱく質の消化・分解、リパーセは脂質の消化・分解です。甘酒は特にアミラーゼの活性が高いので糖質を消化する力になっていると考えられています。
これら3つが代表的な酵素で消化酵素の仲間になります。それ以外には代謝酵素もあります。京都こうじ生活の生甘酒も日本食品分析センターにて酵素活性の確認済みとなっています。
それらの酵素以外で注目されているのが、レジスタントプロテインという血中脂質を抑える効果を持ち、食物繊維のような働きをするタンパク質になります。酒粕由来の甘酒に含まれていて、市販酒粕からレジスタントプロテインの含有量は平均含有が0.22%に対して酒粕発酵物になると15%も含まれているという研究報告(2012年)もあります※1。しかし、アルコールが含まれているため、子供や妊婦さんなど一部飲めない方も出てきます。
そこで金沢工業大学が日本農芸化学会2018年度大会での発表によると、レジスタンプロテインの一種である「プロラミン」という成分が、各甘酒での製造法での違いで含有量に傾向があるという発表※2をしています。今までレジスタントプロテインは酒粕由来の甘酒のみでしか検出されていなかったので、酒粕由来の甘酒が飲めない方にはプロラミンが含まれる米麹由来の甘酒を選びましょう。一番含有量が多かったのは米麹とお米で作った甘酒となり、今後に注目されます。
※1日本醸造協会誌 「健康と美容に貢献する「酒粕」の成分」P288
※2大学プレスセンター 甘酒を飲んで、便通改善、コレステロール低減、肥満抑制
日本食品分析センター 酵素の基礎知識
腸内環境・便秘の改善
免疫力や健康管理は腸内環境が8割も影響を与えるといわれるほど、腸内環境の改善は、私たちにとって重要です。その中でも便秘に悩む人は多いと思います。近年研究が進み、甘酒が便秘にも効果があると言われてきましたので、どのように解消してくれるのかについて説明します。
腸内環境・便秘の改善には、善玉菌を増やしたり、ビフィズス菌の餌のオリゴ糖、食物繊維(水溶性・不溶性)などが重要と言われています。便秘の方の腸内に健康な菌を移植したら重い便秘が治ったという話もネットで見かけたりします。実際は菌の多様性と菌の餌のバランスがとても大切で、一種類だけを意識的に摂取するのではなく、多種多様の菌との共存が必要です。実際に腸内には約1000種100兆個の細菌が生息しています。
◆善玉菌
善玉菌を増やすにはグルコシルセラミドという植物性セラミドで生こんにゃくに多く含まれており、そのほか味噌にも含まれていますので味噌汁に生こんにゃくを入れて朝食・夕食で取り入れてみて下さい。
◆オリゴ糖
ビフィズス菌の一種で大豆、玉ねぎ、ごぼう、バナナなどに含まれています。善玉菌で紹介した生こんにゃく味噌汁に豆腐と玉ねぎ、ごぼうを入れて具沢山味噌汁で効率よく摂取しましょう。もしくははちみつきな粉豆乳甘酒ドリンクなどでも摂取できます。
◆食物繊維
水溶性と不溶性があり、水溶性は便を柔らかくする効果があり、不溶性は量を増加させる効果があります。
水溶性の食材はキャベツ、大根、いも類、わかめ、昆布などがあります。
不溶性の食材はごぼう、ライ麦パン、切干大根などがあり、切干大根はゴボウの3.4に対して17.1と約5倍の食物繊維と3.6の水溶性食物繊維を持っています。
上で上げた善玉菌・オリゴ糖・食物繊維の中で、特に重い便秘の方に注意してもらいたいのが、不溶性食物繊維を多量に摂取するケースです。水溶性食物繊維が便を柔らかくするのに対して、不溶性食物繊維の多量摂取は便が硬くなり、より便秘を引き起こしてしまいますので注意して下さい。
◆レジスタントプロテイン
食物繊維と似たような働きをするレジスタントプロテインは酒粕で作った甘酒のみ存在が確認され、レジスタントプロテインの一種であるプロラミンは米麹と米で作った甘酒に一番多く含まれます。善玉菌、オリゴ糖は米こうじと酒かす両方に含まれています。
腸内環境を改善する代表的なものを4つ紹介しましたが、まとめると、
・バランスの良い食事を心がける
発酵食品の善玉菌と善玉菌の餌になる食品の摂取
・自立神経の乱れを直す
睡眠不足の解消・疲れ・ストレスの解消
これらを意識して日々の生活を過ごしてください。健康は日々の小さな積み重ねから始まります
ビオフェルミン製薬 腸内フローラを知ろう Q1腸内フローラって、何?
【医師監修】「甘酒」で便秘解消! 甘酒に含まれる成分や特徴、オススメのレシピを紹介
NHK健康チャンネル食物繊維を取り過ぎると便秘が悪化⁉便秘改善になる量と食材とは
まとめ
栄養学的な話を長々と書きましたが、米こうじ主体や、酒粕主体、米こうじ+酒粕などの、原材料の違いによって得られる成分が違いますので、目的別で甘酒を飲み、健康に役立てましょう。
実際米こうじと米主体の生甘酒を飲んでいる自分の体験談としては、栄養に偏りなくバランスよく、規則正しい生活と食事をするとより効果を実感できた気がします。特にお風呂上りや朝の肌のしっとり感は以前より増した気がします。また常連のお客様より飲み続けて便秘の改善、肌のシミが薄くなったなど嬉しいお言葉を頂いています。
※個人の体験談は感想であり、効果・効能を示すものではありません。
まだまだ甘酒に限らず、発酵のメカニズムは科学的に解明されていない部分が多くあります。今後も科学的に根拠がある事例を皆様にご紹介していきます。
京都こうじ生活について
私たちは京都の北野天満宮東門すぐそばに米こうじで作ったノンアルコール・砂糖不使用・無添加の生甘酒の製造販売をしています。こうじ由来のプレーン生甘酒を始め、各種生甘酒で、甘酒が苦手な方でも安心して発酵由来の腸活・菌活などの発酵生活で体の中からの健康をサポートしています。
ご希望の方にはワイングラスで提供しています
北野天満宮東門から北に歩いて30秒、フランス料理RACINEさんの北隣り
観光スポット
目の前が北野天満宮、少し歩けば多種多様の桜で有名な平野神社があります。上七軒界隈を滞在の拠点にすれば東は西陣界隈や御所があり、西は仁和寺・龍安寺、南は二条城、北は金閣寺、大徳寺などの観光スポットがあります。また京都最古の花街である上七軒も近く、運がよければ舞妓さん、芸妓さんに出会えるかもしれません。ぜひ花柳流の踊りもお楽しみください。
参照
森永製菓 健康機能の研究成果
https://www.morinaga.co.jp/company/healthcare/amazake.html
日本醸造協会誌 「健康と美容に貢献する「酒粕」の成分」
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010832420.pdf
大学プレスセンター 甘酒を飲んで、便通改善、コレステロール低減、肥満抑制
https://www.u-presscenter.jp/article/post-39189.html
日本食品分析センター 酵素の基礎知識
https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol5_no3.pdf
ビオフェルミン製薬 腸内フローラを知ろう Q1腸内フローラって、何?
https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chonaiflora/aboutchoflora/
【医師監修】「甘酒」で便秘解消!甘酒に含まれる成分や特徴、オススメのレシピを紹介
https://www.kenei-pharm.com/ebenpi/column/column_33/
NHK健康チャンネル 食物繊維を取り過ぎると便秘が悪化⁉便秘改善になる量と食材とは
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_669.html